mokomoko

mokomoko

2020/12/30

天国についた

2020年も今日でおしまいです。

なんだか、夢のような。夢でなくて現実なんだけど、どこかおとぎ話かのような、浦島太郎のよふな。
忘れられない1年になりました。


世界同時に同じピンチを共有したこの地球規模な一大事。


今を生きる誰しもが生まれて初めて経験した事で。1年生の子供にも、38年生の自分にも、ばあちゃんじいちゃん兄ちゃん姉さん子ども達、赤ちゃんまで、みんな同時に。

生きる事も、死ぬ事もその続きのことも、はたまたもっともっと昔の事も、
沢山考えた時間でした。


制作をして作品を生み出す事がなんて極上で、まるで『 天国 』のような事なんだろうか。当たり前にできている事がなんと奇跡的だった事だろうか。
“行けない” “できない” “不自由”を、想像で手の届くとこまでにするのはどうしたらいいのだろうか。
思考してとにかく描いて描いての1年間でした。
思ったらすぐに行動にしてるタイプなので、迷子になりながらもズンズン制作してました。おそらく、過去にないくらい沢山の作品描いてます。



『天国についた』は、まさに自粛期間ど真ん中に生まれた作品です。

友達が送ってくれた携帯電話の画面だけで見た “ハーブ園” が素晴らしすぎて、一気に描きあげた作品です。


友達が送ってくれた気持ちも嬉しかったし、想像のレベルを上げて頭の中で行こうとしたおちゃめな絵描きが描きあげた絵となります。


描き終えて、よし!無事に “ 天国についた ”と思えたのでありました。

『 天国についた 』2020

photo by Kenji Tajahashi





そして2020年は、自分なりにむちゃくちゃアートした年だっただろうと。

“アート”とは、なかなか一般的には遠慮されがちなワードだと思いますが。
シンプルに“ 何かに気づく事 ”かと。哲学のような問答のような仏教のような悟りなようなもの、つまりは、それまでの自分になかった扉を開くことができた“ 眩しい瞬間 ”の事かと。思っています。

それは、ひとつの絵の画面作りにも良く似ていて、存在しない答えに向っていく事と似てるかも。分からないからおもしろいし、どんどん追求と好奇心は止まらないです。
そしてそれは、常に“美しい”と共に。これを自分なりのアートとしてやってきました。
この2020年をきっかけに次なるステージに少しでも近づく事ができたとしたら、ガッツポーズです。そんな1年でありました。



世界中大変だったけど、それに値いする意味がきっとあると思ってます。多くの人がそれぞれの “気づき” にふれた年だったんじゃないかなあ。
未来にはこの2020年がきっと良い方向へのタイミングだったのだと、そうなってることを祈って!
来年を楽しみにしたいと思います。





ではでは。良いお年をお迎えくださいませ!


また、来年書きますー。

2020/12/27

美しい日曜日

“美しい日曜日”は、2008年に制作をし、小山登美夫ギャラリーで初めて個展をした時に展示した作品になります。


タイトル通り、美しい日曜日を描いた作品です。

まだ、学生だった頃、日曜日の朝起きて一階の台所へいくと古いラジオから音楽が流れていて、何も予定のない日がはじまるその時がたまらなく好きでそんなイメージを描いてます。

それと、休みの朝に食べるホットケーキは格別でした。真ん中あたり猫ちゃんが食べています。
ミロのヴィーナスは、足が見えてるほうが良いと思って歴史を変更しております笑
この絵の中ではかなり重要なポイントになっています。

平日は決まった時間に決まった所へ行ったりするのが忙しくて大変で、なかなか得意ではなかったです。だから、休日は大好きすぎて、全部時間が自分のものなんだーー!!と叫びたくなるくらいでした笑


そんな事を思っていた学生時代から、一気にワープして2020年の “家で過ごそう週間”!!言ってみたら毎日が美しい日曜日!となったわけでした。

毎日子供達が近所にあふれ、一日中パジャマだか家着だか気にしない、とにかくフリースタイルで、突如多くの誰もに訪れた毎日が日曜日。予定の書かれてないまっさらのカレンダーは爽快でした!!


私は、状況はもちろん状況ですが、あのみんなに訪れた “日曜日” は必要な出来事だったのだと思っています。

みんな本当に忙しすぎた。もっと自分の時間を持つべきだ。そんなに大切なやらなきゃいけない仕事って、もっと少なくていいじゃんとずっと思っていたので。
自分のやりたい事をちゃんとやる時間を持つべきだと思います。
決められたことをちゃんと全部やる、いっぱい働くことが偉い、働かないのは怠け者、みたいなやつもう十分じゃないのかなあ。

もっと沢山さぼって怠けてぐうだら寝たらいいのにってかなり本気で思ってます!
そしたら、もちろん現実それが難しくても、頭のどっかで気楽にのんびり行こうと思っていたらリラックスできていい感じ。ゆとりがあれば良いアイデアだって降りてくると。思うのです。

クロストークで稲葉さんともお話しましたが、みんなが色々考えたりする時間を持ったきっかけだったねと。
このおっきなきっかけで、人類みんなでそれまでの色々を考えて、今までにない新しいマインドをもつのも悪くないと思いました。私達は、頭だけで考えた便利さを求め過ぎて、色々見過ごしてきたこと沢山あるからさー。と思います。



また、書きます(^o^)/

いよいよ年末年始、美しい年末年始!コタツでレッツぐうだら天国です。
楽しみすぎてやばいです!

照明具合でだいぶ印象が変わってきますが、少し寄りの画像です。
2本足のヴィーナス!
真ん中に猫が3つ。3匹ともホットケーキ食べてるって思っていたら、食べてるのは一ぴきだけなんですね。笑

たまに登場するピンク色した謎な生き物。
性格はおっとりしています。

2020/12/25

コラージュで絵を描こう!

今回の『天国』展では、2つのワークショップを行いました。

ひとつめは、桜町小学校の5年生のみんなと。ふたつめは、桜ヶ丘ミュージアムにて集まってくれた子ども達と。


ワークショップ、すごく楽しかったです!!


それぞれの子ども達が、目をキラキラさせて制作してました。


テーマは『自由』でした!
初めは先生達も大人達も、自由だと子ども達が何していいか分からなくなるのではないかと心配もありましたが、
全然心配御無用!!なんのためらいもなく制作を始めるみんな。


“ 四角の紙を切ってもいいよ、絵の具だけじゃなくて、色んな素材をひとつの絵の中にミックスしていいよ。描いてみたいもの、自由に作っていいよ ”

“ 自由 ”にしたのは、テーマをいつでももらいがちなみんなが、どこか受け身になってしまっているのを取っ払うのがねらいでした。
子供は全員天才なので、自分でスタートもゴールも方法も創り出させた方がいいのだと思います。

出来上がった作品もですが、制作してる瞬間の工程こそが大切です。

クリエイティブ脳さく裂!アドレナリン大放出!!細胞喜び、いと良きかな。 


絵の具なら、絵の具だけで仕上げる。
鉛筆は下書きの準備の画材。
絵は、描くだけで、何かを貼っつけたり縫ったりって普段はやらないし、やっていいとは思ってなかった!
シールを絵に貼るのってズルっぽく思えちゃうけど、たーのしー!!!

言葉のジャンル分けでしばし囚われすぎてしまうんだけど、いっこのきっかけで、テーマはいつでも自由で。

5年生から、ひとりひとり手紙のプレゼントが!
楽しかったとか、美術に興味をもてました、自信がもてました。などなど。嬉しい感想沢山いただぎました!!

良かったよ〜〜(^^)(^^)ありがとう〜〜


身の回りのものを使ってじゃんじゃん作ってほしいです。

子ども達が作る喜びを忘れてしまいませんように!!

メリー・クリスマス〜〜\(^o^)/



また、書きます〜。

桜町小学校のみんなの完成作品!!

会場には、色々な画材、色々な紙類や、種や羽まで色んな素材が大集結!!
選ぶだけでわくわく〜〜

長井作品も、ちらりとご紹介を。みんな一生懸命きいてくれました。


2020/12/22

しだれざくら 2020

“ しだれざくら ”は2006年から始めた1年にひとつ、桜の作品を描くというシリーズです。※2007年だけ何故かないですが。なんでだろう。自分も知らんです笑


2020年は、3月の桜林ギャラリーで展示した5メートル超えの史上最大級の“ しだれざくら ”を制作しました。

既に今年の桜は描きおえていたのですが、シリーズ史上初、1年に2作品を制作しました!


今年は生まれて初めて、家の中から桜を眺めて過ごすといった特殊な春でした。

家の前に小さな公園があって、しだれざくらではないんだけど、桜の木があります。

その日は、春なのに東京に雪が降りました。
大粒な雪で牡丹雪だったのかな、桜と雪とが一緒にあるのが奇跡みたいで魔法のようで、ドラマチックでした。

それを窓からずっと眺めてました。

その光景はずっと昔を思い出すような、時間が行ったり来たりして不思議な空間だったと思います。

その瞬間をそのまま描きました。



稲葉さんに、長井さんの絵は古代と未来も感じると言ってもらったのがすごく印象的でした。
まさに、言われてみてみるとその通りで、過去も未来も時間が凝縮されているのかもしれないです。

自分の中では時間はある一定の方向にだけ進んでいるものではなく、過去にも進むし、未来にも進むし、とにかく一定方向には進んでいないものと考えてます。ぐるぐる廻ってるみたいな感じ。
自分の作品は、時間がものすごく凝縮されてます。それは意図したものでなく、自然とそうなっています。

しだれざくら2020は、この強烈な時間を過ごした中で、ある意味必然的に誕生した作品だったのだろうと思います。

ひとつめは、桜林ギャラリーで展示しました。
そして今回の美術館の名前が桜ヶ丘ミュージアムでしたので。
2つとも、桜という名前のステージだったわけです。

こりゃ描くのは運命的でそういうことだったのだ、と今は思ってます。

しだれざくら 2020 
photo by Kenji Takahashi

今回の展覧会で展示してる方の作品です。
雪と桜が降ってます。

しだれざくら 2020
photo by Kenji Takahashi

前回の桜林ギャラリーで展示していた5メートルを超える大きな “しだれざくら”
絵巻物のように物語が流れていて圧巻でした。

2020/12/20

稲葉俊郎さんとのクロストーク

『天国』展のオープニングでは、医師で今年の山形ビエンナーレの芸術監督もされてました稲葉俊郎さんをゲストにお迎えし、クロストークを行いました。

この2020年という忘れもしない年のおわりに、稲葉さんをお招きしてトークをした事はきっと特別なことだったのだろうと思いました。


今回の『天国』レポートは、作品についてももちろん書いていきたいですが、もっと根本的なアートのこれからの役割について色々と考えたことを自分なりに書きとめていきたいなあと考えてます。

もういよいよアートめっちゃ大事な時代に突入です!



稲葉さんとの出会いを少し書きますと、数年前に自分自身が手術と入院を経験した事が今思えば最初のきっかけです。

入院して、病室のベッドのまわりに、写真を貼ったり絵を貼ったりしようとしたら、看護師さんに止められてしまいました (私は自分の居心地のいい巣を作りたかった。) 
まあそっからどんどん気が滅入ってしまい、真っ白で何もない空間に閉じ込められてしまったショックからなのか、手術が1度では済まなくて第2ラウンドまでいってしまい、入院期間ものびちゃって、精神的にもドン底で。
予定してた個展も泣く泣くキャンセルしちゃったりで。だめだめゾーンまっしぐらでした。しばらくの間、記憶ないくらい何もしてなかったと思います笑。

そんなズタボロがぐんぐん回復したのが、絵を描いて描いて描きまくった事でした。1番の特効薬でした。
やっぱり絵がないと全然だめだわ。と思ったのでした。

そこから数年後に稲葉さんの赤い本を読みました。
そこには、まあ分かりやすく自分の体験した何故ドン底だったのかの答えが分かりやすく優しく文字で綴られておりました。
めちゃくちゃ感動しました。


アートと医療は別じゃない。全てのあらゆるジャンルはひとつに繋がってる。人のいっこいっこの細胞レベルで地球も宇宙もひとつの全体だって。

気づきそうでなかなか気づけないひとつひとつを丁寧に教えてもらえた瞬間でした。
まるで神さまみたいな本だなあと思ったのでした。



つづく


クロストークのようす。こちらの写真、桜ヶ丘ミュージアムの方が撮って文字を入れてくれたものです。背景の“しだれざくら”がなんとも心地よくて気にいってます。

桜ヶ丘ミュージアム学芸員の森田さんが司会進行をしてくれました(^^)

今回の展覧会の担当をしていただきました。
本当にお世話になりました。

当日は、たくさんのお客さんが参加してくれました!
状況をふまえて、急遽、換気のよい通路で行いました。
参加していただいたみなさま、ありがとう!!

2020/12/19

『天国』のように淡くまぶしかったオープニング!

『天国』展のレポート、オープニングの様子を書いていこうと思います!



2日間の無我夢中設営を終えてオープニング当日の朝は肌寒く小雨。
あれ??もしかして雨のオープニングになるのかな?と思いましたが、会場に着く時には良いお天気でした。


会場に着くなり沢山のお客さんで会場が賑やかでした!
こんな大変な時期ですが、ほんとうに多く方々に来ていただけました。


地元なだけに、知ってる顔がたくさん!
(^^)
小学校中学校の同級生のみんなや、当時の先生、長い間会ってなかった親戚のお姉ちゃん。子どもの頃からずっと知り合いのみなさんが。
そして長井作品を通して出会ったお馴染みの東京メンバーのみんな。
軽井沢よりスペシャルゲストの稲葉さん。


同じ場所で同じ時間に、自分の人生での大切な人々が集まってくれていました。
すごい瞬間だと、あたまに焼き付けました。


挨拶では、なかなかうまく(いっつも!笑)言葉にすることができないんだけど、本当に嬉しくて、眩しくて。まるで天国のような出来事でした。今回の展覧会タイトルにふさわしいです。


オープニングには、その場には来れなかった方々も沢山いて。だけど、長井作品をこよなく愛してくれるみんなの事をおもっていました。想いだけがんがん受けとっていました。ばっちりです!


さらに会場を華やかにしてくれた花束の数々が!!

ゆっくり小学校のみなさま
彦根のおじさん&おばさん
刺し子メンバーのみなさま
きくちゃん&とみちゃん
きみちゃん

どうもありがとうございました!!



ほんとうにずっと忘れないオープニングパーティでした。
いつもは、アトリエでひとりもくもくと作業してるけど、あっという間にこんなに輪が広がっていた事を知らせてもらえました。
人っていいなあって改めて思うのでした。
自分の周りにはこんなにもあたたかい人々がいてくれて、最高です。なんて贅沢な人生なんだろう。
ありがとうございます!




では。また書くです(^^)
次回は、稲葉さんとのクロストークについて、書きたいです。稲葉さんのお話も素晴らしかったです。

挨拶はいつも緊張してしまって、、すいません。
とにかくみんなありがとー!!て伝えたかったです。
“ 絵描きになって故郷に帰ってこれたでね〜!嗚呼、良かったやあ!!!! ”
(三河弁全開!)


お花嬉しかったなあ〜!!!

中学の時の先生!先生いつも応援してくれてありがとう!!

2020/12/17

『天国のように淡くまぶしい、そして』オープンしました!

お久しぶりです!ご無沙汰してます!!文章書きまーす!!


すっかり展示の時にだけ発動中の場所になってます笑。



『天国のように淡くまぶしい、そして』展、いよいよ12月12日、オープンしました!!


まるで夢のような搬入からオープニングまでの1週間でして。でもやっぱり本当だと実感。

無事に始まってからは、ほっとしたのか、泥のように眠ってます。
子を学校へ送っては眠ってます。
泥のようにとはよく言ったもんだ。と思うです。


なんとなく美術作家として活動が始まっておよそ14年。つつつついに。公立の美術館で展示ができましたー!!!!!!


やったー!!!


しかも、故郷、愛知県でです。
嬉しすぎます。始まるまでは夢中で準備していたから気づかなかったけど、今はとても感慨深いです。ああ良かった。しみじみです。


しかも、この怒涛の2020年の年末に。
忘れもしない年に記念すべき展覧会が始まりました。
思えば、今年の3月の茨城県の出雲大社、桜林ギャラリーでの『しだれ桜と春を、』展から始まり、途中から展覧会自体が自粛となって、世界があれよあれよと激動の渦の中へ、自分としてもまあ思考の1年だったと思います。
反動なのかなんなのか、2020年は過去最多くらいに制作をかっとばしてまいりました。なにかが違いました。制作の神さま何人か降臨しちゃってた感じです。


最高に『天国』にふさわしい作品群を持ってこれたと思います。


とりあえず、無事に設営もできオープンできた事をご報告いたします。

ゆるやかにレポートしていこうかなって思います\(^o^)/

 

桜ヶ丘ミュージアムのみなさまお世話になります、展覧会をどうぞよろしくお願い致します!!

みなさまより、お祝いのメッセージ沢山いただいております!ありがとうございます!!ゆっくりお返事いたします(^^)

これは、滞在してたアークリッシュから見下ろした豊橋。設営2日目の朝です。

こんなに大きな立派ポスターが!!!感激〜!